小学生が将来の夢を、現実的な社会貢献や社会の中の自分の生き方として考え始めるのは、どんな時でしょうか。


まず、「社会」という言葉の定義を「私たちが生きている場所や仕組みやそこにいる人」と定義してみると、学校教育が非常に理にかなっています。小学低学年では学区内、3,4年生で札幌市や北海道のひとやこと、5,6年生で日本、さらに中学校に入って世界について、高校ではより詳しい政治や経済を学ぶ、という流れです。そして、われわれ大人は、子どもたちに、その知識の広がりとともに多様な価値観を受け入れる大人になり、将来の夢などを育んでほしいと願わずにはいられません。


でも、その流れのどこかで、社会は社会、自分は自分と思ってしまったら、大人になるのがいやになるとか、自分勝手な大人になってしまわないか、と心配になります。


ですから、子どもたちにぜひ伝えたいのは、すごい人から身近な人まで、いろいろな生き方があって、大きく世の中に貢献してきた人も、小さな人の助けを積み重ねてきた人もいるということです。これが、視野を広げる上でも、将来に対する希望や勇気を与える上でも、とても大切になります。


親の価値観も伝えてあげたいし、身近に立派な人がいたらぜひ会わせたい。テレビやニュースで出てくる人にも生き方のヒントがたくさんあります。そして、空想上の人物でも、歴史上の人物でも生き方のヒントをくれるのは、同じです。ぜひ、物語から伝記までできるだけたくさんの本に触れさせてあげてください。